公開審査後の座談会
2010年2月08日
1年間をとおして、実践的な学習を行ってきた「教育GP ファッションブランドビジネスモデルの構築」の授業。公開審査会を終えた直後の学生たちに、感想をうかがいました。
*まず、1年間をとおしてこのプログラムに参加してみていかがでしたか?
- 荒川
- 普段、交流の少ない「ビジネスコース」の学生と「クリエイティブコース」の学生が協力して、ひとつのものを作り上げていくところが楽しかったし、新鮮でした。
- 麻布
- 「ビジネスコース」と「クリエイティブコース」で、持っている知識やひとつの物事に対する認識のレベルが異なるので、意見をひとつにまとめることはすごく大変でした。でも、自分たちで考えて、ひとつの会社ができ上がっていく過程が、ものすごく楽しかったです。
- 大滝
- 「会社を経営する」ということに関して知らないことが多過ぎて、情報や知識を得るところから、はじめました。初めの頃は、本当にできるのかなって不安に思っていました。
- 森園
- 私も、実施前は不安だらけだったけど、終わった今、やって良かったと思っています。
*会社経営を疑似体験するという観点から、感想などを教えてください。
- 村山
- 会社経営は簡単にできることではない、というのが率直な感想です。1年間の学習の過程で自分に足りないものに気づかされました。
- 岸
- 今まで知る機会のなかった「会社の仕組み」や、各職業の人が抱えるそれぞれの思いなどに触れ、学んだことが数多くありました。
- 田中
- 「会社」がどのように成り立っているのか、という一端に触れることができました。会社は決して一人で成り立っているわけではないし、協力することの大切さを実感しました。
- 石川
- 「どのようにして、ひとつのブランドが立ち上がるのか」をリアルに知ることができたことがよかったと思います。この経験が自分の財産となった半面、この1年間はすごく大変でした。
*どんなところが一番大変でしたか?
- 村山
- 私は、「売り物」としての作品作りです。クオリティの高いものにするという要求を、チームみんなの意見をあわせて実現しなければいけませんでした。コース間に知識の差があったことも、意見をまとめる際にスムーズにいかない原因になりました。また、授業時間外で集まることが多かったことも大変でした。
- 岸
- チーフデザイナーという立場では、ブランドの象徴である中心アイテムのデザイン決定です。ターゲットの年齢を考えたデザインとは何か、ブランドのカラーとして押し出したい部分は何か、自分の好みの違いをどのように解決するのかなど問題は山積み。中でもブランドイメージと、アイテムから感じるイメージを一致させることが難しかったですね。何度もトワルを練り直しました。
- 荒川
- チームでブランドのイメージを決める際に、言葉では伝え切れず、皆でターゲットやお店の雰囲気のイメージを統一することができず苦労しました。「ビジネス」の観点に立つことも難しかったです。
- 森園
- 店舗模型製作など、今までに経験したことのない作業はかなり大変でした。
- 大滝
- アンケート調査や打合せなど、課外の時間に学外で行う作業も多かったと思います。でも、「大変」と同じくらい楽しい気持ちもありました。
- 麻布
- 私たちのチームでは、初期段階でデザイン画からシーチングまでできあがっていた中心アイテムがあったのですが、中間発表でターゲットと異なるという指摘を受け、チーフデザイナーを中心に始めからやり直しました。でも、再度話し合いをしていいものができあがったので、結果的に良かったと思います。
- 榎本
- クリエイティブコースでは学習しない事柄、例えば、コンセプトづくりや経営に関わる事柄などを考えるのが難しかったです。でも、ためになったことや楽しかったことは、たくさんあります。
*どんなことが、一番ためになりましたか?
- 榎本
- 例えば、さまざまな分野の講師の先生のお話を聞けたことや、縫製仕様書の書き方等を実践したことです。
- 麻布
- 何事も具体的に考え、実践していかなければならかったので、すべて「経験」を通して、細かな点まで学ぶことができました。例えば、ブランドを立ち上げる際にターゲットを必要とするとき、そのターゲットがブランドのイメージとなるので、ライフスタイル、オケージョンとすべてが関係してくること。またその重要性を感じました。
- 田中
- 日ごろ学んでいるクリエイティブのことだけでなく、ビジネスについても学べたことはいい経験となりました。また、いろいろな縫製のやり方を実践することができたこともためになったと思います。
- 村井
- 社長、マーチャンダイザー、デザイナーなど一人ひとりに役割があって、チームで作業をしたことですね。ちゃんと自分の意見を言って、チーム全体でイメージの共有をすることがとても大切だと実感しました。
- 森園
- 私も、一つのものを複数の人たちで作り上げるという経験自体が将来の役に立つと思いました。チームワークの大切さを学びました。
*チームで会社経営をする中で、一番楽しかったことや面白かったことは何ですか?
- 石川
- 疑似体験の会社経営ですが、内容が「リアル」だったことです。1年生の時には自分の好きな企画を行う授業がありましたが、そこから一歩進み、クリエイティブコースと協力することで、構想をカタチにすることができました。また、どんなブランドにしていくかの話し合いで、どんどんイメージが湧いてきたこと。一人ではできない面白さがありました。また、クリエイティブコースの人と仲良くなれたこともよかったです。
- 岸
- チームのメンバーそれぞれの得意な部分を活かしながら、協力してものづくりをしていく喜びです。イメージがどんどん形になっていくことも面白かったです。
- 榎本
- メインアイテム作り、チーフデザイナーが考えたものを自分たちの手で作っていき、形にすることが楽しかったです。
- 田中
- メンバーがみんな明るくて、笑いがたえないチームだったので、GPの時間がすごく楽しくて、毎回行くのが楽しみでした。
*プログラムの内容に関しては、どのように感じましたか?
- 麻布
- 普段の授業(例えば、マーケティング論・ファッションビジネス論など)を総合した内容だったと思います。
- 石川
- 授業で学んできたことを実際に形に表すので、今までの知識の積み重ねがとても役に立ちました。学校の授業も充実していますが、さらにその「応用編」のような感じでした。
- 荒川
- それぞれに学んできたことを発揮できる場だったよね。
- 森園
- それに、普段受けている授業は基本「受け身」になりがちですが、このプログラムは自主的に動いていかないといけなかったです。
- 田中
- 自分たちだけのブランドをつくり、自分たちで作り上げていくので、一つひとつが初めてのことで、すべてが普段の授業とは別物のようにも感じました。
- 村井
- 普段の授業との大きな違いというと、「個人的に作品を作る」か「チームでブランドを作る」かだと思います。GPのようにチームでブランドを作るときには、自分の意見をしっかりということが必要だと思いました。逆に、他の人の意見を採用する勇気も大切なのだと思いました。
- 村山
- 個人の役割をしっかりとチームの中で果たさなければいけないという責任の重さもあります。
- 岸
- ビジネスコースの学生と協力することで、お互いが学習している内容に触れることができ、かなり知識が増えました。
*チームで協力して「働く」という観点からの感想や意見はありますか?
- 石川
- とにかくゼロから作り上げることの大変さを感じました。「ビジネスコース」「クリエイティブコース」と分けて考えるのではなく、お互いが協力しあい、良いものを作るために仲間とのコミュニケーションが大切だと思いました。一人では決してできないものでも、仲間と協力することにより完成するんだって実感しました。
- 岸
- 「チーム製作」の楽しさと、大変さの両面を感じることができました。
- 荒川
- 個人で作業する分には、自分の好きなようにできるけれど、チームを組んでやるとみんなの意見を取り入れなければならず、調整が難しかったです。でも、その分でき上がった時の達成感はすごくありました。力を合わせることの大変さ、チームワークの重要性を感じました。
- 麻布
- 私たちは納得がいくまで、みんなで話し合いを重ねました。途中、けんかっぽくなったこともありましたが、最終的には納得のいく企画書や店舗模型、中心アイテムを製作することができました。
- 岸
- 話し合いは重要ですね。ブランドイメージ、会社の経営理念など、チーム全体に少しでもズレがあると会社経営はうまくいかないと実感しました。
- 田中
- ゆずったり、ゆずられたり、みんなでうまくまとめていって、でき上がったときにはすごく達成感がありました。
- 榎本
- 作業の中でビジネスコースでは学んでいないことも多くあり、力になれなかった部分もあったと思います。
*チームで会社経営をすることに関して、実施前の考えと実践後の感想を教えてください。
- 榎本
- もっとスムーズに進められるものと思っていましたが、コースごとに学習内容が違うため、話し合いが多く、まとめるのに時間がかかりました。
- 村山
- 私も、チーム内で方向性や感覚が合わず、四苦八苦しましたが、自分の意見を押し通すのではなく、人の意見や知らなかった知識を柔軟に吸収し、生かしていくことが大切だと学びました。また、デザイン、経営など様々な方向から考えることや、チーム内での知識レベルの差を埋めること、そしてさまざまな経験をしていくことが私たちには必要だと感じました。
- 麻布
- 会社経営はすごく難しいと感じました。知恵を絞って作業することの重要性を感じました。
- 岸
- また、「ただ作りたいものを作る」のとは違うということをすごく感じました。
*公開審査会では、審査員の先生方から意見などありましたか?
- 麻布
- 自分たちでは入念に考えて、ブランド作りをし、完成させたつもりだったのですが、価格設定などに関して、専門家の先生からさまざまなご意見をいただきました。「価格設定が高すぎる」「店舗数が少なすぎてこれでは売れない」など、厳しいご指摘もありました。また、社長の年収が高いなどのご意見もあり、設定と現実は結構違うのかなと思いました。
- 石川
- 「こんな服買う人いるの?」という意見も実際にありました。ですが、「こんな服あったらいいよね」という想いで作っていた部分もあったので、ショックでした。
*将来に活かしてみたいことはどんなことですか?
- 田中
- 1年間を通して、GPでは実にいろいろなことが学べ、会社の経営や運営、会社で働くことの大変さや楽しさを疑似体験し、会社で働きたい、と思うようになりました。ブランドは、一人でつくり上げるものではないし、意見を押し通してはいけないこともある。ゆずる気持ちや、人の意見も受け入れることの大切さなど、言い尽くせないほどのことを学びました。
- 森園
- 人の意見を尊重することも大切だということを実感したので、将来に活かしていきたいと思います。
- 榎本
- 私も、みんなで話し合うことの大切さを実感しました。いろんな意見を聞くことが大切ですし、悪いところだけでなく、良いところを言ってあげることが大切です。
- 村山
- 授業を通して、今の自分に足りない知識に気づきました。また、仲間と違う意見をもったときには自分の意見をはっきり言うことも大切であると学びました。
- 麻布
- 私は春から販売員として就職しますが、1年間の経験をとおして、会社がどのようなターゲット設定で、もしくはテイストで売っていくのかを十分に知る必要があると思いました。
- 岸
- 会社で働く人の大変さ、社長、チーフデザイナーなど、人の上に立つ人たちがどんなことをしているのか…、などアパレル業界で役立つ知識を得られたように思います。
- 荒川
- 自分でお店を出すことになったときに、今回の授業がすごく役に立ちそうだと思いました。
*あなたが考える、このプログラムの目的や目標はなんでしょう?
- 村井
- チーム全体でコミュニケーションをとることと、ファッション分野のさまざまな仕事内容を知ることだと思いました。
- 麻布
- 実際に、私たちが大学を卒業し、アパレル会社へ就職したときに必要となる知識が、このプログラムには非常に多く含まれていると思います。このプログラムの目標は「ファッションビジネスの現場に出て、即戦力となれる人間を作ること」だと思いました。
- 岸
- “作りたいもの”と“売れるもの”の違いを知ることだと思いました。
- 田中
- みんなで何か一つのものを作り上げることの大変さと大切さを知ることかなと思います。
- 荒川
- 社会に出て働くことは、何事にも「チームワーク」が大切だ、ということを学ぶためのプログラムだった気がします。